タイの国鉄では今もシブい列車が走っていて、バンコク中心部の駅舎でも一昔前のにおいがして、鉄道好きの人にはもってこいだと思います。国鉄バーンスー(บางซื่อ,Bang Sue)駅は、チャトゥチャックウィークエンドマーケットの西側に位置し、地下鉄MRTの駅を出てすぐの所にあるので、アクセスも便利です。
タイの国鉄の駅は改札がありません。バーンスー駅はプラットホームと外の道路との境界が明確ではなく、どこが入口かはっきりしません。入場券を購入する必要はなく、どこから入っても大丈夫です。
駅の道路に面したところにはこんなシブいローカルレストランがあります。
列車に乗る前の腹ごなしによさそうです。日本でいうところの駅そば屋さんといったところですね。
มีอาหารตามสั่ง(ミーアハーンタムサン,Mi ahantamsang,Restaurant)と書かれた看板があります。
食堂あります、という意味ですね。
ก๋วยเตี๋ยว(クイッティアオ,Kuayteow,Noodle)という文字も書かれていますので、ヌードルも売られているのだと思います。
売店コーナーもあります。いわゆるKIOSKですね。ジュースやお菓子が売られています。指差しで購入できますので、お気軽です。
プラットホームの方はこんな感じで、シンプルですが味があります。特にローカル鉄道好きの人は楽しめると思います。
プラットホームの高さは随分低く、線路よりもちょっとだけ高いくらいの高さです。
そのため、プラットホーム間の移動は線路を渡りこととなるため、陸橋はありません。
駅の奥の方に止まっている列車。乗客はいませんので、一時的な車庫になっているのだと思います。
木陰のシチュエーションが絵になっています。
こちらが駅の名前になります。
สถานีชุมทางบางซื่อ(サターニーチュムターンバーンスー,Sathani Chumu thang Bangsue)と書いてあります。
สถานี(サターニー)は駅という意味。
ชุม(チュム)は沢山の、ทาง(ターン)は道で、ジャンクション(合流点)という意味になるようです。
バーンスージャンクション駅となります。
จำหน่ายตั๋ว(ジャムナーイタウ,Jamnaay taw,Ticket office):チケット売り場と書いてあります。
จำหน่าย(ジャムナーイ)は販売する、ตั๋ว(タウ)は切符という意味ですね。
駅の外側や外から入ってすぐの所にあるのではなく、ホームの中ほどにあるので、初めて行ったときは切符をどこで買ったらよいか、迷うかもしれません。改札が無いのですから。
時刻表の看板がホームの中ほどにあります。
行き先として以下の駅名が記載されています。
กรุงเทพ(クルンテープ,Krungthep):バンコク(Bangkok)
ลพบุรี (ロッブリー,Lop Buri)
ซุมทางแก่งคอย(チュムターンケーンコーイ,Chumu thang Kaeng Khoi):ケーンコーイジャンクション(Kaeng Khoi Junction)
อุบลราชธานี(ウボンラーチャターニー,Ubon Ratchathani)
เที่ยวรกไฟสาย น้ำตก กาญจนบุรี(ティヨロクファイサイ ナムトック カーンチャナブリー,Theiyork faisay namtok Kanchanaburi):カーンチャナブリーと滝の日帰り旅行,One day trip to Kanchanaburi and Waterfall
ชายทะเลหัวหิน สวนสนประดิพัทธ์(チャーイタレー フワヒン スワンスン プラディーパット,Chaythale Hua Hin Suanson Pradipat):フワヒン スワンスン プラディーパット 海岸,Hua Hin Suanson Pradipat beach
เด่นชัย(デンチャイ,Den Chai)
สุราษฎร์ธานี(スラーターニー,Surat Thani)
หนองคาย(ノンカーイ,Nong Khai)
เชียงใหม่(チェンマイ,Chiang Mai)
หัวหิน(フワヒン,Hua Hin)
พิษณุโลก(ピッサヌローク,Phitsanulok)
สวรรคโลก(サワンカローク,Sawankalok)
ศิลาอาสน์(シラアット,Sila At)
บ้านตาคลี(バーンタクリー,Ban Takhli)
สุรินทร์(スリン,Surin)
ตะพานหิน(タパーンヒン,Taphanhin)
สุไหงโก-ลก(スンガイコーロック,Su Ngai Kolok)
นครสวรรค์(ナコーンサワン,Nakorn Sawan)
ชุมทางหาดใหญ่(チュムターン ハートヤイ,Chumu thang Hat Yai):ハートヤイジャンクション,Hat Yai junction
ปาดังเบซาร์(パーダンベサール,Padang Besar)
ยะลา(ヤラー,Yala)
สุพรรณบุรี(スパンブリー,Supham Buri)
ตรัง(トラン,Trang)
ชุมทางบ้านภาชี(チュムターンバーンパーチー,Chumu thang Ban Phachi):バーンパーチージャンクション,Ban Phachi Junction
นครศรีธรรมราช(ナコンシータマラート,Nakhon Sri Thammarat)
กันตัง(カンタン,Kantang)
หัวตะเข้(フアタケー,Hua Takhe)
駅の名前にジャンクションとつけられているだけあって、様々な方面行きの列車が止まります。フアヒン、ハートヤイなどの南部、カーンチャナブリーなどの西部、北西部のチェンマイ、東北部のノンカーイの他、東部のフアタケーに行く列車も走っています。
発車時刻だけでなく、到着時刻、始発駅の時刻、終着駅の到着時刻まで書いてあって、親切です。
時刻表によると、チェンマイまで概ね11~14時間、ハートヤイまで概ね15時間、ヤラーだと20時間近くかかるようです。
食堂車の有無、寝台車量の有無、女性子供専用車両の有無、車内販売の有無も掲示されていますので親切です。
休日運休の列車、休日にしか運行されない列車もあるので注意してください。
列車到着の時間が迫ってくると、ホームに地元の人々が集まってきました。外国人らしき人は見当たりません。
大きな荷物を持っている人も沢山います。
田舎へ帰るのでしょうか。
鉄道が歌詞になっている歌が沢山ありますが、歌にしたくなる気持ちが伝わる風景です。
カタンカタンという軽快な音と共に、バンコク中央駅方面からのお客さんを乗せたチェンマイ行の列車が駅に到着しました。
チェンマイは気候がバンコクなどの南方の都市よりも穏やかで、地方都市ながら便利な環境が整っていて、魅せられる日本人も多いところです。
一部車両にはこのような表札が掲げられています。チェンマイに行く途中のナコーンラムパーン(นครลำปาง,Nakhon Lampang)駅で切り離される車両があるようです。
こちらの写真は列車の最後尾部分の様子です。車両連結部分がむき出しになっています。乗車口には扉が無く、列車が動き出してからも飛び乗ることができそうです。日本でも一昔前はこういう列車が走っていたようですが、今では考えられませんね。
乗客の一人がとても大きな荷物をいくつか一生懸命列車に持ち込んで、通路に置いています。国へ帰るのでしょう。
国鉄バーンスー駅の場所はこちらです。
地下鉄MRTのバーンスー駅2番出口を出てすぐ目の前にあります。
有名な巨大ウィークエンドマーケットのチャトゥチャック市場や、果物、魚介類などの市場、オートーコー市場、JJマーケットなど有名どころの観光地の近くですし、アクセスもしやすいですので、ついでに訪れてみては如何でしょうか。